開催趣旨

五重塔斜陽

五重塔・南大門(写真提供:株式会社便利堂)

 東寺は平安京遷都まもなく、国家鎮護のため官立寺院として創建されました。その寺院を、桓武天皇の後に即位した嵯峨天皇は、唐で新しい仏教・密教を学んで帰国した弘法大師空海に託します。弘仁14年(823)、日本ではじめての密教寺院の誕生です。


 その後、大師は講堂、五重塔をはじめとする伽藍の造営に精力的に取り組みます。講堂には密教の主尊である大日如来を中心に21軀の仏像を安置し、立体曼荼羅の世界を表現しました。また東寺のすぐそばに、庶民を対象にした日本初の私立学校・綜藝種智院を設立し、教育の必要性を説きました。


 生老病死に代表される衆生の苦悩の解決に一生を捧げた弘法大師は、入定後も「お大師さま」と親しまれ、多くの民衆の信仰を集めてきました。東寺の伽藍も創建以来1200年の間に幾度も台風、落雷、火災等の災害を受け、堂塔の大半を焼失しましたが、その都度、多くの人々に支えられて復興を遂げ、現在も弘法大師の精神を伝える真言密教の根本道場として法灯を守り続けています。


 このたび、真言宗立教開宗1200年の節目を迎えるのを機に、特別拝観を開催いたします。通常は閉じられているお堂を公開するとともに、小松美羽が東寺食堂で制作した《ネクストマンダラ―大調和》、土門拳が撮影した東寺の写真などの展観も行います。また、弘法大師空海が最澄に宛てた手紙、国宝「風信帖」や現存最古の彩色曼荼羅で、平安仏画の最高傑作として名高い国宝「両界曼荼羅図」など第一級の寺宝を宝物館で公開します。

お知らせ

2023年4月18日

公式サイトがオープンしました。

  • Twitter
  • Facebook